1月6日（水）に熊野市井戸町大馬にある熊野国総鎮守として名高い大馬神社（奥の院）において大馬神社例祭（弓引き神事）がおこなわれました。
このお祭りは、井戸町内の氏子より順番で祭礼を取り仕切る当屋を決め、その当屋より弓引きと弓取りが各2人ずつ選ばれ、毎年1月6日に一年の平安を祈願して、弓引き神事が行うものです。
今年は、午前10時に禊場にて水垢離がおこなわれ、弓引きをおこなう高校１年の男子二名、矢拾いの井戸小学校１年の男子2名が、禊場の冷たい川に腰まで浸かり身を清めました。
午前10時30分ごろ、鳥居前に弓引きは直垂に烏帽子姿に、弓取りは白装束姿に着替え、宮司、巫女と整列し趣のある石畳の参道を歩いて本殿に向かいました。
本堂では、神事がおこなわれ、巫女の舞が奉納され、弓引きが鳥居前でおこなわれました。
藁を敷き準備された場所で、約90cmの的をめがけ約16m離れたところから20本の矢を放ちました。
今年は、９本が見事に的に命中し、命中すると見物の参拝者より大きな拍手がおこりました。
その後、最後の４本は空に向けて放たれ、弓引き神事は終わりました。
今年は、TVドラマなので活躍する俳優の串間保さんが一人芝居を奉納し、木挽きを演じ参拝者から大きな拍手が送られました。

■大馬神社の伝説
　桓武朝の御世（737〜806）に、征夷大将軍・坂上田村麻呂が『鬼ヶ城』で討ち取った鬼の首魁　多娥丸（たがまる）の首を地中に埋めて、その上に社を県立し、当時の熊野国総鎮守としたと言われています。
　その後、江戸時代に智興和尚という僧がこの話を伝え聞いて参詣しようとしたところ、『花の窟』の辻あたりで大きな葦毛の馬に乗った田村麻呂の御霊が現れて社まで案内しました。田村麻呂が大きな馬に乗っていたことから大馬神社と呼ばれるようになったと言われています。
また、田村麻呂の愛馬が一緒に埋められたことから「大馬」とも、「大魔を封じた社」が転じて「大馬」となったとも言われています。


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