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万才峠への入り口から少し上り坂を歩いた右手にある名号碑と桜地蔵。
左:これが一遍上人名号碑の本物。そこに彫られていたとされる文字は、すでにわからないほどになっています。一遍上人の真跡、弘安3年(1280年)の建立と言われていますから、文字が消えてしまっても不思議はありません。熊野年代記によると、この名号碑のほかにも、万才峠にも名号碑があったそうです。
ちなみに、時宗の開祖である一遍上人が宗教的な悟りを開いたのは、熊野本宮大社だと言われています。そのため、時宗の信者は熊野の神聖性を全国各地で説いてまわりました。結果としてはそれが、貴族や上皇といった上流階級が中心だった熊野信仰を、庶民へ広めるのに大きな役割を果たしたのです。
右:名号碑と並んで置かれている桜地蔵。天正9年(1581年)、速玉大社と縁の深かった飯道寺による建立だそうです。
この付近は、平家の落ち武者と源氏の追っ手が合戦になって多くの人が亡くなり葬られた場所と伝えられており、「千人塚」とか「千人原」と呼ばれているそうです。 |
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左:万才峠への入り口、崩れかけた石垣の横に細い山道が続いています。
右:かつて何軒か家があったような感じで、立派な石垣がたくさん残っており、峠へ至る細い山道が、その横に続いています。周りはスギの人工林が続きますが、シダが茂って道が分かりにくくなっている場所もあります。 |
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左:石垣横の道を歩いていくと、右手に墓標らしきものが何体か集まって置かれていますが、この墓標を過ぎた辺りから、スギの人工林が終わって自然林になります。
右:自然林になっても、道ははっきりしています。峠へ至る道ですが、入り口からずっと緩やかな上りが続いています。 |
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林道との分岐、入り口から20分ちょっとで万才峠に到着します。掘り割りになっており、標識がいくつか立っている以外は何もありません。標高は415m、妙法山などが連なる稜線上にあり、熊野古道の峠越えと交差して登山道が通っています。 |
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万才峠から下り坂になります。下りはじめが少し急な斜面で、間もなく緩やかな道に変わります。志古側は自然林がありましたが、小雲取越側はスギの人工林が広がっています。 |
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左:小雲取越へは、緩やかなアップダウンを繰り返しながら、小さな沢をいくつか越えていきます。周りはスギの人工林が大部分を占めています。
右:ほとんどが普通の土道ですが、石畳らしきものが時々残っています。 |
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万才峠からゆっくり歩いて30分、中辺路の小雲取越と伊勢路の合流地点に至ります。万才峠からの細い山道に比べて、小雲取越はかなり広い道。目の前が突然開けた感じになって驚きます。 |
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