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熊野市百科大事典:神話と伝説 『蛇の池』 <
くまのしひゃっかだいじてん:しんわとでんせつ 『へびのいけ』 > |
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熊野市(旧熊野市、旧紀和町) > |
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育生町大井の、北山川の岸近くに「蛇の池」という池がある。池の水脈は有馬の池に通じているとも、また下北山村池峰の明神池に通じているともいわれている。
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むかし、対岸の大沼に、久保の小女郎という大そう美しい娘があり、髪が長いので、櫛で琉くときはその一筋一筋が蛇のようにうごめいたという。この小女郎が深夜どこかへ行く様子なので、両親が糸を付けた針を娘の着物にひそかに縫いつけておいて寝かせた。抜け出した娘の後を糸をたぐつて行くと、その糸は大井の池までつづき、池の中に没している。
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母親が、「もう一度顔を見せてくれ。」と叫ぶと、水中から小女郎は姿を現わしたが、その頭には角が生え、すでに蛇体の相をあらわしていた。小女郎の正体は蛇であったが、生れるのに人間の腹を借りたのだと言うことである。一説に、小女郎には想う男があって、その男に誘われて池の蛇体になったのだともいう。
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育生町の田野野から北山へ抜ける昔の峠道に「小女郎地蔵」があります。この地蔵は歯痛を治すと言われ、実際この峠道の田野野にある家(現在は納屋)のおばあさん(平成12年97才で永眠)の話では、首から上の病気(歯痛や頭痛)がおきると、夜中でもこの峠にある地蔵様にお参りしたそうです。
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左の地蔵が、蛇を2匹彫った地蔵です。1匹の蛇の形は良くわかります。 この春に休校になった育生中学校の生徒会が、「小女郎地蔵」の説明看板を設置していました。 この峠道を利用する人は今はほとんどなく、この地蔵まで行く道はかなり荒れていました。(2004.4.21)
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参考文献 |
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・熊野市百科大事典 ・「日本伝説大系」 ・「牟婁地区山村習俗調査報告書」 |
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その他関連情報 |
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なし |
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