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河童のがたろ <
かっぱのがたろ > |
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紀北町(旧紀伊長島町、旧海山町) > |
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昔々、船津川の渕に、イタズラ者の河童のがたろが住みついていて船津の人達は、ほとほと困りはてていました。小さな子が水遊びをしていると、川底へ引っぱり込んだり、川から出てきて畑を荒らしたり悪さばかりしていたので、子供たちは日が暮れると外には出たがりませんでした。
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そのころ、船津の永泉寺に玄山(げんざん)というおしょうさんが住んでいました。和尚さんは、馬に乗るのが好きで寺の境内に白馬を飼っていました。ある日和尚さんはその馬を番太渕のほとりでつないでおきました。ところが突然馬が綱を引きずって山門へ馳せ帰って来たので何事かと裸足のままでて見ると、馬の後足になにやら怪しげなものがからまっていました。和尚はそれを取り押さえて馬だらいでふせたが、それはまぎれもなく河童のがたろだった。
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そして和尚は河童のがたろをしばりあげて本堂の柱につなぎ、和尚は3日間も説教したのでした。 河童のがたろはうなだれて、和尚さんの言う事を静かに聞いていましたが、いつしかがたろの目に涙が浮かんでいました。その夜、和尚さんは夢を見ました。河童のがたろにそっくりの老婆がやってきて和尚の前で手をついてあやまりました。「今までの村の人たちに悪い事ばかりをして迷惑をかけましたがこれからはもうけっしていたしませんからお許し下さい」 和尚さんは大きくうなずいて許してやった。
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和尚さんはあくる朝、河童のがたろを元の番太渕へ帰してやった。 それからは船津川での河童のがたろの悪さは、ぴたりとなくなりました。不思議な事に船津川だけでなく、どこの海や川でも船津の人や牛馬は水の事故にあうことはなくなりました。そこで他の村の人々まで、川や海に入るまえには、「おーら船津の子!」と、ひと声と言ってから入るのがならわしになったとさ・・・・おしまい。
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参考文献 |
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なし |
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その他関連情報 |
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なし |
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